法人設立のメリット・デメリット
NPO法人とは
公益性が重視される組織
NPOは英語でNonProfit Organizationと言い、略してNPOと呼ばれています。NPO法人は、日本語で特定非営利法人と言います。
その活動は、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に収益を分配することを目的としない点に特徴があります。
その点で、株式会社等の営利企業とは異なります。
また、設立する際の費用もかかりません。NPO法人の場合は登記の手数料もかからないのです。
所轄庁(都道府県または内閣府)に対して認証申請をする必要がありますが、その申請手数料もかかりません。
このように、NPO法人は、資金負担なく設立できることが特徴です。
NPO法人は年々増加傾向にあり、10年前から比べると約17倍となるNPO法人が設立の認証を受けています。
その反面解散したNPO法人も多く 3,909件もあります。
それについて、いくつかの問題点があるとは思いますが、その一つの大きな理由として、NPO法人の経営の難しい点にあります。
NPO法人を運営している方々は社会貢献の熱い想いを持っている方々ですが、経営のプロでないことが多く、社員のモチベーションを維持することも難しく、長期に渡っての組織作りができずに志半ばで倒れてしまうことが多いのです。
一般社団法人とは
一般社団法人とは2名以上の社員(構成員)が集まって作る、営利の追求を目的としない法人のことです。
かつては、非営利活動を行う団体が法人格を取得するためには、事業の目的に公益性を備える必要がありました(いわゆる公益法人)。公益とは、社会全般、不特定多数に利益となる事項やそうした利益をもたらす性質全般のことで、その社会に属してる個人の利益に通じるものから社会全体の機能向上につながるもの、また社会全体の規模の拡大に貢献するようなものであれば、その事業に公益目的があると認められました。
ただ、公益目的の認定基準は明確ではなく、そのため、多くの団体は法人格を取得することができませんでした。
しかし、制度改革がなされた現在では、事業に公益目的がなくても、一般社団法人として法人格を取得することが可能になりました。そして、一般社団法人のなかで、公益性を有するものと認められた法人については、別途、公益社団法人として公益法人格を取得することになります。
では、両者の違いとはなんでしょうか。
どちらの法人を設立したらよいか分からない方のために、両者のメリット・デメリットを下記に挙げてみました。
ご参考にしてみてください。
法人設立のメリット・デメリット
NPO法人について |
一般社団法人について |
【メリット】 ●設立費用がかからない。 ●変更登記時の登録免許税(収入印紙代)がかからない。 ●法人税法施行令第5条に定められた34業種に該当する事業を行っていなければ、法人税がかからない。 ●補助金・助成金が取りやすい。 ●行政からの業務委託が取りやすい |
【デメリット】 ●法人税等の税制面が優遇されていません。 ●登記手続きに関する印紙代免除の制度はありません。
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【デメリット】 ●活動目的が特定非営利活動促進法で定める20分野に制限されます。 |
【メリット】 ●活動目的が特定非営利活動促進法で定める20分野に制限されません。 その分自由な活動目的を設けられます。 |
●設立に必要な正会員の人数が多い。 設立時には正会員10人以上必要です。 |
●設立に必要な構成員が少なくてすむ。 設立時に必要な人数は2人以上です。 |
●認証申請時の書類作成が難しいです。 ●設立にかかる期間が長期です。 |
●手続きが簡易で期間も短期です。 |